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長期熟成酒 20周年記念座談会11 

杜の娘:松岡昨日は更新ありませんで、すみませんでした。
さて、またまた座談会をお届けします。
11回目のお話は・・・
「果物の酒と穀類の酒の違い」
「カビを利用した酒の凄さ」
そんなことが、語られています。
お酒はその地域によって、使われる原料も、関与する微生物も違います。
日本酒の特徴は何と言っても『麹』
『黄麹』と呼ばれるコウジカビを使うのは、日本だけ。
この『麹菌』。
昨年の日本醸造学会で「国菌」に承認されました~!
では、座談会続きをどうぞ。

参加者は、達磨正宗 白木善次氏
     百々登勢 梁井宏氏
     酒一筋  利守忠義氏
     長老   本郷信郎です。

<20周年座談会11>

本郷:「日本酒がどこまで熟成して伸びていくかというのは、それはワインでも酸があるものは伸びていく、そうじゃないものはあまり伸びないという・・・。
いつか山本博さんのとこでやった時に、誰が持って来たのかな、昭和16年の九州の酒(※1)を、あそこでちょこっと皆で味わった事がありましたでしょ」

白木:「どこでだっけ?」

梁井:「銀座の・・・どこかのレストランのような・・・」

利守:「ワインバーでしたね」

本郷:「そこで飲んだ、あの時がちょうど45年目だったんです。
それから5年経って、飯田橋会館で50年目の時をきき酒したんです。
45年目と、50年目では、50年目の方が熟成は進んだなと思いましたね。
日本酒は、そこまで(50年まで)は熟成が伸びていくな、という感じを持ったんですけど。皆さんはどうだったですか?」

梁井:「そのへんは果物の酒と、穀類の酒との違いで、穀類の酒っていうのは、悪くなる要素が少ないんじゃないですかね」

本郷:「ああ」

梁井:「果物の酒の場合は、酸化するとおかしくなるというのがあるんでしょうけど」

利守:「結局、最終点がワインなんかの場合は、わからないと言えばわからないし、米の品種もさる事ながら、貯蔵の容器によっても、変わってくると思うんですよ。
まだこれは全然手をつけてない研究というか。
最近になって、甕に貯蔵したり、木桶にしたり、土の中でというのが、出てきていますけど。
非常に将来に向けて明るい要素が多いんじゃないですか。熟成酒を貯蔵するという点においては」

梁井・本郷:「そうですね」

利守:「いろんな酒が、各社各社でね」

白木:「将来の選択肢が多いですね」

利守:「えぇ、非常に多いって事ですね」

白木:「そしてね、本郷さんの純米酒の話じゃないですけど、僕はワインなどの果物の酒と、穀物の酒・・・特にカビ(※2)を使った酒はね、基本的に全く違った物だと思うんです」

梁井:「そうですね」

白木:「それはもう、アミノ酸の含有量からいっても、桁違いなわけで。
うちの酒をみてると、8年から10年経って、タンクの周りにオリ(※3)がへばり付いて。
極端な事言えば下呑みからそっと引いても、チカチカ(※4)が出てくるようになりますよ。本当にオリが落ちると。
それを瓶に取ってまた、コンテナの中で5年~7年置いてみても、また瓶の下から瓶の側面、オリが出ます。
どこまで出てくるんだろうと思うけど。
それがね、アミノ酸がオリになって沈殿したからと言って、上の酒の力がなくなったかと言うと、決してそうではない。充分力がある。
それで果物の酒と、特にカビを使った酒というのが、同じ穀物の酒でも、麦芽を使ったものとも違うんじゃないかと思うんですね」

梁井:「違うんでしょうね。そりゃもうアミノ酸の、成分の・・・」

白木・梁井:「成分の複雑さ」

白木:「豊富さね。それはね」

梁井:「段違いですね」

白木:「それはやっぱり、一種のバッファー的に、相当働くのではないかなという気がする」

本郷:「ですから坂口さんの本の、『日本人はもっと日本の麹を研究しなきゃならん』という、一文が効いてくると言いますか」

白木:「麹を使う酒というのは、主に黒潮文化圏だと言いますから。ちょっと西に行ったら、麦芽の酒になりますし」

利守:「その、麹・・・黄麹の原点は、やっぱり熟成酒にありということですよ」

「盛り上がり」

本郷:「そうかもしれませんね」

白木:「利守さんいい事言った。それぶち上げるか」

「笑い声」

白木:「キャッチフレーズ。20周年のキャッチフレーズにそれぶち上げたら」


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※1・・・昭和16年の九州の酒
 旧森永酒造(福岡)の蔵の中に隠されていた大吟醸。
 酒蔵の統廃合で、酒造り最後の年の大吟醸の出来が非常に良く、税務署に内緒で隠しておいたという。
 詳しい話は「長老の知識箱」4月11日の記事をどうぞ。

※2・・・カビ
 ここで言うカビは、黄麹菌のこと。
 Aspergillus oryzae

※3・・・オリ
 酒中のたんぱく質などが、沈殿するもの。
 ワインでは有名ですが、もちろん日本酒にもあります。
 特に熟成酒は、瓶の底にオリが結構溜まります。
 ので、ビックリして捨てちゃう人も(もったいない!)
 このオリが下がることによって、お酒は澄んでいき、丸く美味しくなっていきます。
 黒いモヤモヤのようだったり、茶色い薄いかたまりだったり、真っ黒なドロッとしたかたまりだったりします。

※4・・・チカチカ
 京都の祇園では、お酒を地下に寝かせ、瓶の中に「星が1つ・2つ出た」ら、お客様にぬる燗でお出しする・・・という話がありました。
 『星』といわれるコレ、シュウ酸ではと言われています。
 達磨正宗の古い熟成酒は、じーーっと静置しておいて、そっと覗くと、時折きらっと光るのが解るそうです!
 見てみたいっっ!!

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おっと、20週年のキャッチフレーズ候補が出ました。
結果は・・・使用されなかったんですけども;;
麹菌中心の話題でもりあがりました。
ちなみに同じ黒潮圏でも、アジアの大陸ではRhizopus(クモノスカビ)が主に使用されています。


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