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呑切り(のみきり)の話 

杜の長老:本郷


田植えも終わり、梅雨から夏へと季節が移る頃。
あぁ、呑切りの季節だなぁと、ふと思う。

というわけで、今日は呑切りについて語ってみようかと。
少々現場的な話になりますが、よろしくお願いします。


<呑切り>

清酒の製造工程の一つ、『造り』といわれる直接的な製造工程が終わって、オリ下げまたはオリ引きと言われる、清澄作業が終わると。
生酒で出荷するものは冷蔵庫に移され、低温下で酒の中に含まれる酵素の働きを止めておく。
一般に出される酒は、低温殺菌・・・通常『火入れ』と言われる、酵素作業を止め、その他火落菌による火落作用を防止する殺菌作業が行われる。
この低温殺菌法は、世界的に有名なフランスのパスツール研究所が、画期的な方法として世界に発表した1865年より130年も前から、日本では広く行われていた清酒造りの技法であった。
(火入れはタンクを65℃に加熱。その後急冷する作業である)
蔵人たちは、清酒造り・・・搾りと火入れが終わると、それぞれの故郷に帰り、田植えの作業に入った。

田植えが終わった頃に『呑切り』が始まる。
この時期には、故郷に帰っていた杜氏さん、県や監督官庁の技術指導をしている鑑定官室の技官が立会うことが多い、検討会である。
火入れ殺菌後はじめてタンクの呑み口を開けるので、呑切り・初呑切りなどと呼ばれる。
この呑切り、まずはタンクの呑みの四囲を充分に殺菌消毒し、その後の作業も清潔第一に行われる。
また、呑切り作業は、急激な酒の放出ではなく、静かに取り出すことで、取り出し口には半切り桶またはタメシ(灘の酒用語集では、試桶<ためおけ>とされている。特に呑切り時に使用するものは、小試<こだめ>、切試桶<きりだめおけ>と呼ばれている)と言われる桶を出口、呑の下に用意して、徐々に流出を計った。

タンクから番号表示のされた瓶に取り出された酒は、蔵の広場やきき酒室に移され、その熟成度を検査される。
香りに異臭はないか。熟度は。口に含んでの香り。味は。それらをきいて、その後の瓶詰調合の資料とする。熟成の進んだものは早く売場に、遅いものは後の時期に。その蔵1年間の予定の中に入れていく。
また、調合ブレンドの資料ともする。

この呑切りは、比較的気温の高い地方は6月初めから中旬に、東北など気温の低い地方では7月以降になる事が多い。

酒の熟度の進行は、その年の気温、仕込水の硬度などにも影響されることで、その蔵それぞれに自社の酒の味の調節に、苦労をしている。
地下水の豊富な蔵などでは、地下水を汲み上げ、タンクに蚊帳などを被せ、上から放水し、蒸発時に潜熱を利用しての低温化を図り、その水を再び地下に戻している蔵もある。それは酒の熟度をどれ位に保つかの、作業の一つでもある。

呑切りは地区の酒造家が一定の日付で行うことで、お互いの情報交換の場を作ることも多くあった。
ただ、最近はこんな行事も自社のみで過ごすことが多くなっているようである。
これも時代の流れであろう。


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