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長期熟成酒 20周年記念座談会13 

杜の娘:松岡

皆様、週初めお疲れ様です。
何だか、ぱっとしないお天気で、蒸し暑い関東地方・・・。
それでも今年初めてのセミの声が聞こえました。

週末は地元で盆踊りのお祭りがありました。
杜の娘・・・炭坑節しか踊れません(♪月が出た出た~♪ ってヤツです)。
盆踊りの曲っていろいろあると思うのですが、
各地ではどんな盆踊りがあるんでしょう?
有名なお祭から、地域で楽しむものまでずらっと・・・
蔵元さんの投稿お待ちしてます。


えーと、横道に逸れました。
主題は、20周年記念座談会です。
いつもと同じ参加者、
 岐阜県 達磨正宗 白木善次氏
 石川県 百々登勢 梁井宏氏
 岡山県 酒一筋  利守忠義氏
 そして杜の長老、本郷氏です。

<20周年座談会13>

利守:「熟成酒の場合は、米の品質と味との関係は、あまりデータ的にありませんね。
だから、本当は学術的なところでデータをとってやるべき仕事なんですけど」

白木:「一つ僕のところが、徹頭徹尾飯米で造っています。
ずっと日本晴でやってきましたから」

梁井:「麹も?」

白木:「もちろん。去年の造りは日本晴が手に入らなかった。山法師という米でしたが。
日本晴は長い間、日本での食味(しょくみ)の原点の米です。山法師もそれに近い品種です。
あ、今年は日本晴が手に入りました。それでね、米の事で一つ例を上げるんだったら、うちのような酒(濃熟型)を造るんだったら、絶対に飯米です。
飯米で食味の米に上がってくるような、旨い米。それがなかったら、アミノ-カルボキシル反応(米)で赤い色になりません。アミノ酸が足りなかったらあの赤い色は出ませんから。
ちょうど「未来へ」が1999年から今年の酒まで、ものの見事に赤くなりつつあるんです。
1999年は滋里(※2)が、『値段の付けようがなくなったでやめるよ、タンクにはあるんだけど、未来へとしてはもう出さない』って言っているんです。
『お前ら勝手にやれ』と言いましたけど、それは明らかに着色がいい。
そうゆう着色は、やっぱりアミノ酸がない酒はだめです。
アミノ酸度が2.8~3.0くらいまでのものが良い。平均2.8でしたかな」

利守:「それは、造りから出してくるんですか?
米が持って生まれたものですか?」

白木:「それはこんな議論があったんです。
勉強グループのエスポア長谷川さん(※3)が結構熟成酒を買ってくれるんです。
長谷川さんのお客さんのグループが、わざわざ東京から10数人来てくれたんです。その時の話に、米の話が出まして。
米はどこの好適米を使っているのかと言う話になって、『うちは熟成酒には好適米なんて米は全然やったことありません。やってみるべきかもしれないけど、やったことがない』と僕は答えました。
酒造りの米というのは、吟醸造りのための米だという先入観が、一般消費者の中に浸透してしまっているんです。
うちでは純米酒も、地元のハツシモという、岐阜県では一番美味しいとされている、食味の米を使っていますし。
「未来へ」の米は、日本晴ですと。
皆さん相当お酒にはこだわりのある方々でして、あちこち酒蔵見学して、けれどそんな話は初めてだったみたいですよ。
『好適米ではない米で酒を造るんですか?』と、こうきたもん」

本郷:「白木さんの熟成酒は、濃熟型。
研究会が始まった頃には吉沢先生が、試験所でも米の研究はやった事ないとおっしゃっていましたけど。
福光屋さんが17種類でしたか? やったら、やっぱり山田錦が一番良かったという」

梁井:「うちは、吟醸タイプでしたからね、あの当時は」

本郷:「だから吟醸タイプと、濃熟タイプでは、違ってきますからね」

白木:「そうそう。どんな酒質を目指すかという事で、米は自(おの)ずから決まりますよ。
今年の代表幹事会でも喋ったと思いますけど、技術論が先立ってしまって、戦略が先立たないとだめだと。
米だって、どうゆう酒質のものを狙うのかという事からですよ。
濃熟なら、食味のいい、アミノ酸がある、タンパク質がある米を使わないと。
五百万石を使って吟醸造りをした酒は、ちゃんと20年経った時の行き先はわかっているんですから。
そうゆう事を踏まえて、僕はやはり最初に戦略があって、その後に技術論だと思うな」

梁井:「だけど今の技術論というのは、吟醸が一番良い酒だという事が前提の技術論でしょう」

白木:「ああ、大前提ですね」

梁井:「それが間違っているわけで。今の酒は歴史的に一番いい時期だと言う人が沢山いるけれど、必ずしもそうじゃない。
吟醸としては一番良いけれど、酒全体としてみたら、ひょっとしたら一番悪いかもしれませんね」

白木:「ある意味では一番悪いかもしれないね」

本郷:「今までは、とにかく精米を上げなければいい酒は出来ないと、頭の中はその理屈から始まっていますから」

梁井:「そうですね」


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今回は、熟成酒とお米の話でした。
酒造好適米の山田錦、五百万石などを使用したお酒もあれば、
普段食べるお米で造られた熟成酒もある。
その最大の違いは『アミノ酸含有量』です。

※1・・・アミノ-カルボニル反応
 アミノ酸と糖が化合する反応で、褐変がみられます。
 身近なところでは、醤油・味噌などの綺麗な赤褐色は、この反応です。
 長期熟成酒の黄金色・赤褐色はこの反応で造られます。
 ウィスキーの場合の茶褐色は、樽から溶け出した成分が関係していますので、長期熟成酒とは違う色のつき方なのです。

※2・・・滋里(さん)
 白木恒助商店の後継者。お酒を愛するお嬢さんデス。
 現在蔵元の運営・営業を支えていらっしゃる、働くママさん。
 滋里さん面白メルマガは、必見。
 達磨正宗のHPから申し込めます。検索してみてね。

※3・・・エスポア長谷川さん
 長期熟成酒を熱心に勉強している、西東京市ひばりが丘の酒販店さんです。勉強グループ会員。

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アミノ-カルボニル反応は、良く醸造学科のテストで出ました。
とはいえ、この現象、本当に細かい解明はまだ出来てないって、教わっていましたけども。
長期熟成酒の色は、とても綺麗な変化があり、これを見るのも、楽しみの一つです。
『米を磨く』という、現代の酒造りから見れば、逆行の部分もある熟成酒造り・・・。そこにはいろいろな戦略があるようです。


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