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酒蔵の管理―殺菌と消毒― 

杜の長老:本郷

梅雨の長雨が続き、近づく夏の気配に空気に蒸し暑さを感じます。
こんな時期には、微生物たちが元気になります。
エアコンやお風呂場で見かけるカビの類は、特に水が好きです。

酒造には、微生物は欠かせない存在ですが、
同時に悪さをする微生物との戦いでもあります。
故に、酒蔵は清掃、消毒、殺菌が欠かせません。

今日は、そんな酒蔵殺菌事情を少し、お話致します。


<酒蔵の管理 殺菌と消毒>
 酒造りが終わって、オリ引き、火入れが済むと、蔵人は出身地に帰る。多くは田植えの準備にかかる。

 日本の蔵は、入梅時の蔵の管理が大変だ。そしてこの管理が、翌年度の良い酒造りの基本になる。
カ ビの生えやすい酒蔵、出来るだけカビの繁殖を阻止することが重要になる。そのためには、蔵の構造が、風通しの良いものでなければならず、出来るだけ毎朝早起きして、酒蔵の扉や窓を開放して、風を通す。そして外の気温が上がる前に、蔵はまた窓や扉を閉める。
 この毎日の作業は、土日もないのだから、大変である。
 カビの繁殖を抑え、出来るだけ蔵内温度を低く押さえることが習慣として行われてきている。品温は26度を越えると、酒の熟成は急に進むので、出来るだけ23度以下に押さえる事が目安とされており、これを蔵内常温と呼んでいる。
 
 蔵内の清潔のため、蔵の床などは消毒液などで洗うことも行う。ただ、カビにとってはアルコールの飛沫や水もまた、栄養源となるものなので、水洗いの後はしっかり乾燥させることが必要となる。
 消毒を超えて、殺菌までもっていかなければならないものもある。それは一麹二酛と言われる、製麹関係設備だ。これは完全な殺菌が求められるもので、麹室自体が湿気の多い物体を扱う場所なので、出来るだけ湿気の溜まらない場所・・・例えば2階とか、中2階に造られている。また、湿度の多い麹の製造に、空気の流通が良くなっているか、天窓と言われる蒸気含んだ空気を逃し、冷気を含んだ乾燥した空気を入れる通風孔がしっかり作用するか構造にあるかどうか、なども気を配らなければならない。
 丁寧な蔵では、造りが終わってから入梅が過ぎた頃まで、殺菌剤(煙の出る)での殺菌、次に2回目の殺菌、造り前にもう一度殺菌を行う蔵もある。
 幸い、旧来の麹室は密閉しやすい構造にあるので、殺菌しやすい体制にはある。しかし、麹蓋や布類までの完全殺菌は、なかなか気の使うものだ。
 入梅が過ぎた後の麹室の扉の処に鼻を付けて、殺菌の香りが残っている蔵は、一つポイントだと思われる。
 夏の紫外線の強い日差しに、麹蓋や出麹などを入れる箱や布などを天日干しを何日かして、殺菌消毒を試みている杜氏のいる蔵は、良い酒が出来る蔵と見ていいだろう。細やかな気配りで、造りを組み立てていくことが出来るからだ。

 今また、木桶で仕込んだ酒が一部に出回っている。昔はこの木桶の消毒、殺菌が夏から秋にかけての風物詩だった。
 昔は腐造と言われる火落菌や産膜酵母などの雑菌の繁殖により、蔵全体がこれらの菌に汚染されて酒が腐ることが、時々あった。
 その一つとして、こんな話もある。
 蔵の支柱となる太い柱(大黒柱)。これも木であるから、木目など木の細胞にまで、雑菌が入り込んでいるのではないかと、腐造の続いた年などは、この柱まで削った蔵もあった。
 当然、木桶もその対象であった。木桶を外に出して、熱湯を沸かし、木桶を横に寝かせて、人間は足の長い下駄を履いて、竹のささらで木目に沿って、そこに入っている雑菌や野生酵母などを取り除く作業を行い、熱湯をかけて、消毒から殺菌に近づけることを何度も繰り返し行った。
 熱湯を木桶の内面一杯にかけ流す時、火傷の名様に高足の下駄が必要だった。これが、昭和の初め頃より、徐々にホーロータンクに変わってきて、殺菌消毒は蒸気などで簡単に出来るようになった。
 木桶復活は、木桶の年数が経てば経つ程、清掃殺菌が大変になるので、この風物詩は再び復活するかもしれない。この時の掛け声なども、酒蔵の庭に再び戻るのだろうか。
 酒造りは見えざる色々なカビ、細菌、酵母などとの戦いと共存なのである。


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